「知的財産・産学連携ワークショップ」の概要にもどる

「まとめと提言」  
 BLS 大野一樹
  ビジネスIPR 伊原智人
  TLO協議会ビジネス委員会 山本貴史
  知的財産マネジメント研究会 隅藏康一

                                        要旨作成:中村佳代子

本ワークショップの開催を連携して行った4つの団体の代表者から、今後の活動及び今後どのようにしてこのような交流活動を行っていけばよいかという点について、まとめを行った。

・知的財産マネジメント研究会  隅蔵 康一

知的財産マネジメント研究会は2000年4月より10名程度で始めた。現在はメーリングリスト及び月一回土曜日に開催している研究会を中心に活動をしている。来年度以降もこの活動を継続する。研究会では、ライセンス・アソシエイトを志望する学生を対象にした分科会・初心者のための基礎セッション・エキスパートの方をお招きしての招待スピーチ・バイオ分科会・技術移転分科会がある。これらは来年度以降も継続させていきつつ、積極的に新しい分科会をつくっていこう、という方々が現れてくることを願っている。

TLO協議会  山本 貴史

 TLO協議会というのは、現在全国で20を超えるTLOが承認されていて、それらのTLOの連携を目的としてつくられた。アメリカではTLOの連携でAUTMという組織があり、年一回大会もあり、TLO関係者の勉強会を行っている。そこで行っていることがアメリカの大学TLOの関係者のノウハウを普及する場になっている。そのことでアメリカの技術移転が発展していくのに役立っている。日本のTLO協議会の場合は3つの委員会がある。一つは環境委員会。もう一つが国際委員会。そしてビジネス委員会がある。日本のTLOがアメリカのAUTMが行っているような勉強会のようなものを日本でも開催できないか、ということを思っていた。製薬協さん等との関係団体と連携・コミュニケーションしていきたい。

     ビジネスIPR 伊原 智人

 ビジネスIPRは、「知の時代の開拓者として時代の最先端の情報と人材を発信します」ということを掲げ、知的資産に関心のある人がここからどんどん飛び散って、社会を変えていけるような人たちがでていく場になることを望んでいる。今後はぜひ学生の方々に参加していただきたい。現在は少なくともメンバー全員本業は別にもって主に夜・週末をつかってこういう活動をしている。そこで分科会のリーダーになりリーダーシップを養い、そして新しい場で新しいきっかけをもって新しいビジネスを始めていただく、そういう意味でさまざまな可能性をもった方々に参加していただいて自分の可能性を最大限いかす場になることを望んでいる。

 

 ・BLS  大野 一樹

 BLSというのは、ボランティア学生を主体とした日本でのアントレプレナー文化の定着を一番の目標に掲げている。実際の活動としては、サポーター部門とプレイヤー部門の2つがある。ビジネスプランコンテストへの挑戦、実際の起業、日本の大学生・大学院生のビジネスに関する関心を高め、起業におけるスキル形成を助ける活動、分科会活動、ハイテクベンチャー企業へのインターンシップの実施などの活動を行っている。今後の活動としては、理工系の学生にビジネスを勉強する場としてのアントレプレナーツアーを検討している。われわれが社会人の方々に求めたいことは、意見やアドバイス、また実質的な支援である。それはお金という形ではなく、経験をBLSへフィードバックしていただく、それが一番の教育だと思っている。

 

質疑応答では様々な意見・コメントが交わされた

・不良資産になっているMBAの人々をこういった場に連れてきて彼らを活性化できたら面白いのではないかと思う。

・よく若手の研究者に技術系のベンチャーを始めてほしいという要望がある。が実際の立場としては結構きつい。学生時代から、学生が生み出した知財権の権利が保全されるような提言をしていただいたらいいのではないかと思う。

・国としては特定の団体の意見はききにくい。しかしそれがナショナルにまとまっていればききやすいのではないか。

・このようなワークショップというのはどう利用するかは個人のまったくの自由で、ここで考えられたことも皆さん千差万別だと思う。皆さんご自身がここで何かを得るというよりは感じていただいてお帰りいただきたいなと思う。

・研究者の人がどうもやらなくちゃいけないからベンチャーをやるのではなく本当に自分の気持ち、ライルスタイル、キャリアの一貫としてベンチャーに参加するとはどういうことかをわかったうえでベンチャーに参加していくようになればいいなと思う。

・技術としての特許の評価はわりとできるようになったが、マーケットサイズでの評価がまだ適切にできていない。これは時系列的に一時ではない。株のように変動する。それを評価するアルゴリズムないし評価理論モデルが必要ではないか。国際的に整合性のとれた評価をここを出発としてできていけばと思う。

 
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