第194回知的財産マネジメント研究会(Smips)
日時:2018年4月14日(土) 場所:政策研究大学院大学5階 参加費:無料
開催プログラム(どちらの分科会・セッションに出席しても結構です。事前登録等は一切必要ありません。一部分だけの参加でもかまいません。)
※詳細は随時更新いたします。
★13:00-14:30 セッション1
○ 産学連携によるイノベーション分科会(山本貴史)
テーマ:大学はSDGsにどのように貢献できるか?
講師:山本オーガナイザー
今回は、山本オーガナイザーが今年4月から東大の副理事・SDGs担当に就任なさったことから、大学はSDGsにどのように貢献できるか?というテーマでディスカッションする会を開催することととなりました。
★15:00-16:30 全体セッション
テーマ:AIの権利は誰のもの?
講師:小野 潔 様(株式会社インテック 首都圏社会基盤本部 アークリッド推進部 ビッグデータ開発課 プリンシパルデータサイエンティスト)
特許戦略工学分科会による企画です。
【講師からのメッセージ】この講演の目的は、法律がAI技術の発達に追いつけないために発生する、AIの権利の問題点を浮き彫りにします。同時にAI権利を考える上に必要な最新AI理論をご紹介します。
AIの新しい理論や技術が提案され、今回のAIブームを牽引しています。これらは画像解析やIoTなどのビックデータの業務分析に導入され、大きな成果が得られています。AIの最新技術DeepLearningを用いると、AIが芸術作品や作曲や小説が創作できるところまで発展しました。ところがAIの権利については世界的な合意にどころか、業界の思惑により混沌に陥っています。日本でもAIの権利を守る法律が未整備のため、法律上のトラブルが懸念されています。トラブルを避けるためには、弁護士・弁理士がAI理論を理解したうえで、AIの権利を明示する当事者間の合意・契約が必要です。
前半は最新AI理論とその動向を紹介し、後半はAI権利の現状と問題点を報告します。
■講師
【氏名】 小野 潔(おの きよし)
【履歴および職務】
東京工業大学総合理工学研究所大学院 システム科学専攻
日興証券:開発株式インデックスモデルで1千億円運用のファンドジャー
ニッセイ基礎研究所:データマイニングによる与信モデル理論研究
三菱UFJ銀行:銀行/関連クレジット/消費者金融の与信モデル開発および運用者
インテック:プリンシパルデータ サイエンティストとしてAIコンサルタント
【所属】株式会社インテック アークリッド推進部
【専門】人工知能・金融工学・統計学
【所属学会】人工知能学会、日本不動産金融工学学会
【外部役職】SASユーザー総会世話人(企画委員、論文審査委員)、日本不動産金融工学学会旧評議員
【共書】人工知能学辞典(第一版)、金融工学辞典
★17:00-18:30 セッション2 :いずれかお好きなものにご参加ください
○ 特許戦略工学分科会 (片岡敏光・赤間淳一・安彦元・久野敦司・岡崎邦明・永井隆)
テーマ:君はAI/DeepLearningを体験したか?
講師:小野 潔 様(株式会社インテック 首都圏社会基盤本部 アークリッド推進部 ビッグデータ開発課 プリンシパルデータサイエンティスト)
【講師からのメッセージ】この講演の目的は、AIの過去から未来へ発展の流れを説明し、AIモデルの開発法をお見せすることで、AIの全体像を把握して頂くことです。前半は機械学習の歴史と概念を説明し、機械学習の生まれてきた理由や統計学の関係を考えます。また今世紀で最もセクシーな職業と言われる「データサイエンティスト」の仕事内容やスキルを紹介します。後半は『手書き数字のパターン認識』の開発方法を例にとり、近年注目されているDeepLearning(深層学習)のアーキテクチャを説明します。AIモデルの開発仕方をデモで実感して頂きます。
○ エンタメと知財分科会 (新井秀美)
テーマ:クラッピーを巡るロボット開発と知財
講師:髙橋 征資 様(バイバイワールド株式会社 代表取締役 株式会社よしもとロボット研究所 チーフクリエイター)
【概要】
パロディとオマージュと”パクる”ことは何が違うのかという点で議論になることがあります。元ネタがバレてこそ面白いのがパロディ、元ネタがバレてはいけないのがパクる、など諸説ありますが、より文化的経済的発展に寄与するボーダーラインはどこにあるのでしょうか。
たとえばファンも取り込んでの駆け引きが笑いとなる手塚プロと漫画家田中圭一さん、息抜きにと作ったフランク三浦とフランクミュラーなど事例に事欠きません。
> 世紀のパロディ「フランク三浦」の末路 「フランク三浦」の製造販売元、ディンクスの下部良貴社長に聞く
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/032000282/?n_cid=nbpnbo_twbn
ご講演いただく髙橋さんご自身が版権を持ち中国で生産したおもちゃ(パチパチクラッピー)が素材違いではあるものの、同じ金型を用いて量産され日本の100円ショップで販売されることを知ったにもかかわらず、流通を止めなかった。これによりクラッピーチャレンジと言うものづくりの活動が生まれ、活動の輪が広がってきています。
現在、商標権や特許侵害と言ってあらゆる差し止める行為が横行しているようにも思えます。
差し止め以外にも例えば漫画の違法アップロードサイトに対してサイトブロッキングをするのも創作者の権利を守るうえで一つの手段です。しかしそれ以外に、いかにビジネスにつなげ、前向きに物事を解決していくかが求められてきていると考えます。また中国深圳を中心に”エコシステム”として金型を流用できるようにすることで安価に素早くスタートアップでも試作品が作れるメリットも広まりつつあります。
そこでクラッピーの事例をもとに本件の前向きな解決と文化的経済的展開につながっていたご経験についてお話をお伺いします。
また後半は1月に行われたCESでのロボット展示について、ご出展されていた体験をもとにロボット開発のトレンドについてもお話しいただきます。
驚愕!中国のコピー商品市場 <前編>
http://www.maywadenki.com/blog/2017/04/06/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E5%B8%82%E5%A0%B4%EF%BC%9C%E5%89%8D%E7%AF%87%EF%BC%9E/
○ 法律実務(LAP)分科会(足立昌聡)
テーマ:知財に関わっていて楽しいですか?
講師:中村 嘉秀 様(アルダージ株式会社 代表取締役社長)
今回は、アルダージ株式会社・代表取締役社長の中村嘉秀氏をお招きし、知財に携わる若手に対して、これまでのご経験を語って頂きます。
※ なお、今回は通常の開催時間帯とは異なり、17時からの開催となりますのでご注意ください。
1)知財戦略はトップの器で決まる
2)混沌から学んだソニーの創業者たち
3)特許から始まったトランジスタの開発
4)知財の抱える今日的問題
5)なぜそうなったか?――知財人材の怠慢
6)なぜそうなったか?――経営者の無理解と無関心
7)どうすべきか?――知財戦略の再定義
8)強い企業は知財戦略を当然のごとく事業戦略に組み込んでいる
9)強い会社の知財戦略の特徴
10)そうでもない会社に見られる現象
11)どうすれば経営に資する知財になれるか
12)どうすれば経営者に知財が経営に資する事を分らせるか
講師:中村嘉秀氏
アルダージ株式会社 代表取締役社長
米国留学の後、中央大学法学部卒、1968年ソニー入社。法務知的財産部門で30年間フォーマットの標準化推進、ライセンス交渉、訴訟などを通じソニーがグローバル企業に成長する過程を経験する。ソニーケミカル社長、ソニー知的財産センター長、業務執行役員常務などを歴任、94年に当時規格としてまとまったMPEG2ビデオの特許問題処理の為のパテントプール(特許の共同管理)を提唱し、4年かけてまとめ上げた。2006年にソニー退社。大手電機メーカー7社が出資する特許共同管理会社アルダージの代表取締役社長に就任。世界で初めての製品ベースのパテントプールをデジタルテレビ関連特許で運営している。オンワードホールディングス社外取締役。
○ 知財キャリア分科会 (上條由紀子)
テーマ:枯らさずに世界中の植物を育てたい!~起業から水やりチェッカー「SUSTEE」商品化に至るまでの軌跡~
講師:折原 龍 様(キャビノチェ株式会社 取締役社長)
●プロフィール&ご講演概要:
今回は、キャビノチェ株式会社代表取締役社長、折原龍さんにお越しいただき上記テーマでご講演いただきます。2008年に慶應義塾大学環境情報学部卒業後、大手航空会社に自社養成パイロットとして入社し、2012年に事業用操縦士計器飛行証明を取得した折原さんが、2013年キャビノチェ株式会社を創業し、様々な壁を乗り越えながら、植物の水やり時期を教えてくれる「水やりチェッカー:SUSTEEを開発し、現在は国内だけでなく海外市場を見据えた商品化を成功させるに至った軌跡について、ご講演頂きます。起業、ベンチャー、海外展開、技術商業化にご関心ある方は是非お越しいただければ幸いです。
★水やりチェッカーSUSTEE https://sustee.jp/
※ 知識流動システム(KMS)分科会、産学連携分科会は、今回は休会です