第182回知的財産マネジメント研究会(Smips)

第182回知的財産マネジメント研究会(Smips)
日時:2016年10月15日(土) 場所:政策研究大学院大学5F 参加費:無料

開催プログラム(どちらの分科会・セッションに出席しても結構です。事前登録等は一切必要ありません。一部分だけの参加でもかまいません。)

※詳細は随時更新いたします。

★13:00-14:30 セッション1
○ 産学連携によるイノベーション分科会(山本貴史)【産学連携分科会共催】
    テーマ:「ニューメキシコ大学技術移転&経済開発事務所STCの活動内容と日本における取り組み」
    講演者:星 エリ様(ニューメキシコ大学 技術移転&経済開発事務所 大学ベンチャー兼国際事業マネージャー)
米国ニューメキシコ大学技術移転&経済開発事務所STC運営体制(NPO法人)やニューメキシコ大学のOTTの活動内容と実績、さらに経済開発についても触れます。日本におけるSTCのミッションと今後の取組みについてお話しいただきます。皆様、お気軽にご参加下さい。

    
○ 法律実務(LAP)分科会 (足立昌聡)
    テーマ:「著作権法の一層柔軟な権利制限規定について」
    講演者:足立オーガナイザー
今月は、本年4月に国の知的財産戦略本部が取りまとめた「次世代知財システム検討委員会報告書」で提言された事項のうち、著作権法の一層柔軟な権利制限規定について取り上げます。つい最近までは、日本版フェアユースと呼ばれていた幅広な権利制限規定の導入、簡単に言えば著作権を気にせずに使える範囲の拡大については、コンテンツ業界とファンにより二次的著作物との関係などで一時期大きく話題となりましたが、今回の提言では、BtoBも含めたより適用場面の大きい権利制限が想定されています。今年は、自民党の知財戦略に関する提言書にも導入が明記され、一部調査では、産業界もクリエーターも導入を支持しているとの結果も出ており、導入はリアリティを増しています。今回の分科会では、私が民間からの政府出向者の立場で見聞きした情報を皆様と共有させていただくとともに、委員会の報告書を読み解きながら、今後の著作権制限の見通しを皆様と考えていきたいと思います。なお、年初時点で予定しておりました新しい商標、商標審査基準関係のお話につきましては、担当官の都合がつかず、来月以降の開催とさせて頂きたいと思います。楽しみにされていた方には申し訳ございませんが、ご容赦のほどよろしくお願いいたします。

  
知識流動システム(KMS)分科会(西村由希子・天元志保・長壁健)講義室 I
今回は、長壁さん、西村さん、福重さんとともに、12月3日(土)に東川小学校で大規模に行う発明発見教室のテーマや企画内容を話し合います。ご関心をお持ちの方、ぜひお越しください。

【今後KMSの活動に関わられる方々のために、これまでに行ってきた取り組みをまとめています。】
KMSが発足した2002年から14年間、東川小学校の発明・発見教室については2009年から7年間…。
分科会立ち上げ時や発明・発見教室開始時に私はまだ関わっていませんでしたが、たくさんの方々の思いあっての今日、プログラムやコンテンツ開発への地道な取り組みあっての今日と感慨深く思いながら、知識を伝えるというキーワードのもと様々な方々がつながり合う場を作り出す組織として一般社団法人KMSを設立すべく尽力しているところです。今後ともご指導・ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願いいたします。
 
★15:00-16:30 全体セッション:講義室 L
テーマ:「知財業界における情報発信のあり方」
モデレータ: 野崎 篤志 様(ランドンIP合同会社日本事業統括部長) 運営サイト:http://e-patentsearch.net/ 
パネラー: 成田 浩司 様(株式会社サイエンスインパクト代表取締役、博士(理学)、弁理士) 運営サイト:http://ipforce.jp/ 
      安高 史朗 様 (安高特許会計事務所 代表弁理士・公認会計士) 運営サイト:http://ipfbiz.com/
司会:片岡敏光(特許戦略工学分科会オーガナイザ)

  
■野崎 篤志(のざきあつし)様のプロフィール

慶應義塾大学大学院理工学研究科およびK.I.T.虎ノ門大学院ビジネスアーキテクト専攻修了(工学修士・経営情報修士)。日本技術貿易・IP総研を経て、現在ランドンIP・シニアディレクター(日本事業統括部長)。知的財産権のリサーチ・コンサルティングや、経営層から実務者まで幅広い層への知財研修・教育業務に従事する傍ら、ウェブサイトe-Patentやメールマガジンなど複数の情報発信メディアを運営。著書に「特許情報分析とパテントマップ作成入門」(発明推進協会)、「特許情報調査と検索テクニック入門」(発明推進協会)などがある他、論文・寄稿多数。

  
<野崎様からのメッセージ>

e-Patentおよびメルマガ「J-PlatPatを用いた特許検索のコツ」を運営している野崎です。

知財業界に入って以来、特許調査・分析業務を中心に手がけてきましたが、同時に個人的にウェブサイトやメルマガ・ブログなどを運営して情報発信活動を行ってきました。

何かキャリアパスを明確に描いて情報発信活動を行ってきたのか?と質問されることがありますが、実はそこまで計画的ではなく純粋に自分のため、楽しいから始めて今に至ります。

10月の全体セッションでは、知財メディアを運営している成田さん(IP Force)と安高さん(IPFbiz)の2名とともに知財業界における情報発信活動のあり方について皆様とディスカッションできればと考えております。

  
■安高 史朗 様のプロフィール

東京大学理学部物理学科卒業後、特許庁での審査業務、野村総合研究所(NRIサイバーパテント出向)での知財コンサル業務、ヤフーでの知財業務を経て、安高特許会計事務所を開業。主にIT分野の特許出願業務や、知財価値評価・知財調査・コンサル業務などに従事する傍ら、知財情報発信メディア「IPFbiz」の運営、東京理科大での知財講義、各種委員会活動など。

  
<安高様からのメッセージ>

自身のキャリアを悶々と考えながら、情報発信活動を最初は匿名で、段々と実名にしながら行ってきました。

初めは趣味でやっていた活動ですが、今となってみればそれらの活動が実を結んだような気もしています。

私の経験が、ディスカッションのネタに、また、特に、若手の方の気づきになれば幸いです。

  

■成田 浩司 様のプロフィール

名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻博士課程修了 博士(理学)。2006年、参画していたニュートリノ振動実験プロジェクトへの文科省科研費打ち切りをキッカケに、自らの事業活動で資金を稼ぎその資金で自然科学研究を行うことを目指して、大学を辞して知財業界に。2010年に株式会社サイエンスインパクト設立し代表取締役に就任。2011年知財ポータルサイト「IP Force」を開設。また、2016年宇宙線ラジオグラフィー技術を事業化。名古屋大学、富士フイルム(株)、(株)川崎地質とともに共同研究「原子核乾板を用いた高精度宇宙線ラジオグラフィーシステムの開発」で科学技術振興機構「最先端研究基盤領域 先端計測分析技術」プログラム採択。

  

<成田様からのメッセージ>

知財業界に入ったときに感じた「内向的」「分かり難くオタク的」なイメージ(失礼!)を払拭して、カッコよく、洗練されたスタイリッシュなイメージをこの業界に植えつけてやろうと思い、知財ポータルサイト「IP Force」を開設しました。

それがキッカケとなって、沢山の方と知り合ったり、時には苦情をもらったりと、楽しい日々が始まりました。私の経験が皆様の参考になれば幸いです。

 
★17:00-18:30 セッション2 :いずれかお好きなものにご参加ください
○ 産学連携分科会(長壁健・鈴木睦昭・杉浦美紀彦・林聖子・矢上清乃)【産学連携によるイノベーション分科会共催】
    テーマ:「米国の大学技術移転職として働くことでわかった気づき」
    講演者:星 エリ様(ニューメキシコ大学 技術移転&経済開発事務所 大学ベンチャー兼国際事業マネージャー)
ご自身のキャリア、技術移転職を選んだきっかけ、さらにニューメキシコ大学の技術移転機関で働くきっかけなど具体的な経緯をお話いただくとともに、実際のライセンスの事例の紹介や米国でのライセンス方法、最後に今の日本の産学連携についてのご感想を述べていただきます。皆様、お気軽にご参加下さい。

  
○ 特許戦略工学分科会 (片岡敏光・赤間淳一・安彦元・久野敦司・岡崎邦明・永井隆)
    テーマ:「最近の特許調査・分析トレンド」
    講演者:野崎 篤志 様(ランドンIP合同会社日本事業統括部長)
概要:FRONTEO(旧UBIC)が2015年秋に発表した人工知能搭載特許調査ツール「Lit i View PATENT EXPLORER」や、Google Patentsへの日本特許収録を始めとして、特許調査・分析ツールも直近15年ほどで大きな変化を迎えています。特許検索・分析関係の文献動向なども踏まえて、過去から現在に至るまでの特許調査・分析トレンドについて俯瞰し、人工知能が特許調査・分析へ与える影響や今後特許調査・分析において必要となるスキルについてお話します。また、参加されている方々とのディスカッションも予定しています。

  
○ 知財キャリア分科会 (上條由紀子・飛澤宗則)
 テーマ:産学連携における知財人材のキャリアパス
 講演者:木下 忠 様(東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター戦略企画部門 准教授・弁理士・中小企業診断士)
●講師からのメッセージ
大学の産学連携において知財は重要だが、知財人材は必ずしも必要ではないと言われて久しい。しかし果たしてそうだろうか。大学における産学連携の活動は技術ライセンスから、共同研究、外部資金の獲得まで多岐にわたり、実際には知財人材が渇望される場面は多々ある。本講演では小職のこれまでのキャリアパスや東北大学での産学連携活動を紹介しつつ、産学連携において求められる知財人材の役割について考える。

●講師ご略歴
東北大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学、東北大学講師、特許庁審査官、東北大学産学連携推進本部知的財産部(事業イノベーション本部兼任)を経て、現在に至る。

弁理士でもあり、中小企業診断士でもいらっしゃる木下さんが、大学の産学連携の実務第一線に携わる中で、感じていること、知財人財の役割やあり方について、お話を詳しく伺える貴重な機会になると思いますので、多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

  
エンタメと知財分科会(新井秀美・山田光利)
   テーマ:ネットが生み出したボーダレス社会における情報発信と著作権~日本発の著作権はいかなる主張を世界にすべきか~
   講演者:山田 太郎 様(前参議院議員)
音楽や漫画が違法コピーされ世界中に配信されている一方で、個々人の発信もまた世界に拡散されもはや母数を国内ではなく海外を視野に入れて創作できる世界となってきています。海外からの日本のコンテンツに対する関心は高く、イラスト投稿サイトPixivの登録ユーザー数は2000万人を超え、TOKYO OTAKU MODEのfacebookいいね数は1900万に届く勢いです。また8月に行われた同人即売会コミックマーケットは3日間で53万人が来場しています。それに伴って、2次創作はどこまで許されるのか、TPPによる規制はあるのか、国によって異なる性表現や暴力表現の解釈がわからない、といった漠然とした不安感が高まっています(たとえばクレヨンしんちゃんにおけるお尻を性表現とする国もあれば、ドラゴンボールの戦闘シーンを暴力と解釈したケースもあります。)さらにJASRACは音楽以外にもイラストなどに対しての著作権管理が必要ではないかとの意見も出しています。そこでコミケでは毎回街頭演説をされ、創作者の現場の声を聴いていらっしゃる前参議院議員山田太郎氏をお呼びし、今後の著作権の在り方について立法のお立場からの視点も加えてご講演いただきます。山田様は国会で、著作権の非親告罪化の問題、有害図書指定の問題、国連から勧告問題などにも取り組んでおられました。

  
○生活安全性向上分科会(仮称)創設検討会:講義室I
・ご関心をお寄せの方、・お力を貸して下さる方、ぜひご参集をお願い致します。
    目的:生活安全性の向上に寄与する、または寄与する可能性のある知見を取得、または創出すること。

    話題提供者:鈴木 征 様
前提:生活安全性に関連するすべてを、テーマの候補とする。例えば、環境(エコロジー)、健康医療、食品安全、防災減災、土地利用計画、少子高齢対策、福祉政策など。
内容:近年、わが国は高齢化かつ人口減少社会に突入し、それに伴う移動困難者や空き家率の上昇など様々な社会問題が発生している。また、為替相場の変動により外国人観光客が急増すると共に、日本人観光客の旅行先が海外から国内へ変化し、大都市圏におけるホテル稼働率が非常に高い状態となり宿泊料も高騰するなどの問題が発生している。これらの諸問題への対処方法として、個人の所有物をインターネットを介して利用者に提供するシェアリングエコノミー(以下「共有経済」という)と呼ばれる新しいサービス形態の有用性が指摘されており、社会的なイノベーション領域として注目されている。これは、情報通信技術の発達により、個人が自身の所有物の稼働状況をリアルタイムで世界中に発信する事が可能になりインターネット上において需要とのマッチング完結できる様になった為である。しかしながら、普及途上にある共有経済であるが、批判的な指摘もなされている。批判的意見の多くは安全面に対する懸念を問題視している。わが国の諸問題とそれに対するシェアリングエコノミーの有用性、シェアリングエコノミー実施における安全性に関する諸問題について話題提供させて頂きたいと思います。
  

★18時40分- 懇親会を行います。会費は無料です。是非ご参加ください。