第145回知的財産マネジメント研究会(Smips) 開催概要
日時:2013年4月13日(土) 場所:政策研究大学院大学5F 参加費:無料 プログラム
★13:00-14:30 セッション1
○ ライセンス・アソシエイト分科会(山本貴史)
テーマ:「AUTM2013参加報告」
・オープニング AUTMとは? 山本貴史オーガナイザー
・ユニバーシティーリサーチアドミニストレーターの立場から見たアメリカの技術移転 土井達也 様(信州大学 産学官連携推進本部 助教)
・AUTM2013 Annual Meetingへの参加の機会を得て 大屋知子 様(国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター 知的資産部 研究員)
・AUTM参加を1つのステップアップポイントにするためには?~AUTM2013に参加したCDの反省とこれから参加する人への提案~ 阿部紀里子 様(首都大学東京産学公連携センター 主任URA)
・AUTM2013:参加者からの情報収集、技術移転手法の研鑽、より深いネットワークを睦ぐために 大井文香 様(徳島大学 産学官連携推進部 助教)
・日本の技術移転実務者とAUTMとのWin-Winな関係構築に向けて~AUTM 2013 Annual Meeting日本人参加者およびAUTM役員との意見交換~ 加藤浩介 様(大阪大学 産学連携本部 助教)
・クロージング 山本貴史オーガナイザー
 
○ 法律実務(LAP)分科会 (足立昌聡)
テーマ:架空の生物由来製品に関する発明についての議論
架空の生物由来製品に関する発明を題材に、「物」の発明、「物を生産する方法」の発明、「方法」の発明の違いを学びながら、自社の発明をどの種類の発明として権利化すべきであるのか、権利行使時又は侵害警告受領時に異なる結果を生じ得るのかなどを、権利者・使用者チームに分かれて議論を行いました。また、特許微生物寄託制度についても適宜触れました。
 
○ フードビジネス分科会 (塚田周平・島田宝宜)※偶数月に開催
テーマ:アジアの食産業についてのディスカッション
本年度アジアの食産業についてリサーチするにあたっての課題や今後の展望を自由にディスカッションいたしました。
 
★15:00-16:30 全体セッション
テーマ:MOT戦略ケース-知財を創る地域イノベーション戦略
講演者:大津留榮佐久 様(福岡次世代社会システム創出推進拠点 プロジェクトディレクター)
(産学連携分科会による企画です。)
クラスター推進役のオーソリティで、半導体とMOTのご専門でいらっしゃるふくおかISTプロジェクトディレクターの大津留榮佐久様に「MOT戦略によるクラスター事業の推進」についてご講演いただきました。
 
★17:00-18:30 セッション2
○ 特許戦略工学分科会 (片岡敏光・赤間淳一・安彦元・久野敦司)
イノベーションを実現する「組織変革」に役立つシンプルな思考プロセス「TOCfE」について、学びました。「TOCfE」は、TOC、ベストセラー小説「ザ・ゴール」等で著名なゴールド・ラット博士が、TOCよりシンプルで、3つの観点から問題を図解しながらディスカションすることを通じて、考えを整理し、新たな気づきを得、問題解決するというシンプルな思考ツールです。子供に、「ちゃんと考える」ことを教え、手本となれる「ちゃんと考える大人」を増やそうとの目的で、NPO法人「教育のためのTOCの会」が、日本での普及活動を行っています。本年度の特許戦略工学分科会の検討テーマに取り上げた理由は、TOCやTOCfEは対立関係を図解しながら、原因―結果の思考プロセスを検討することを特徴としているからです。この考え方は、矛盾という対立構造を図解しながら思考プロセスを検討するTRIZと相通じるところがあります。対立構造、矛盾の分析は、特許分野での進歩性のバリアを突破できるか否かの客観的測定指標になりえます。TRIZの提唱者アルト・シュラーは、矛盾が進歩性判断の指標になりえると気づき、誰でも発明できるようにするには、この矛盾を解決する方法を見つければよいと考えてTRIZの研究をはじめました。したがって、矛盾、対立構造を明らかにして、明細書を書くことは、権利化の可能性を高め、強い特許明細書の作成、向上にも役立ち、その思考プロセスは、技術者・研究者の論理的思考の思考訓練のツールとして最適であると考えられます。
 
○ 産学連携分科会 (長壁健・鈴木睦昭・杉浦美紀彦・林聖子・矢上清乃)
講師大津留様を囲んでのディスカッション(知財キャリア分科会合同開催)