2017年7月22日、江東区立東川小学校を会場に、「半導体」をテーマとして「発明・発見教室 ― 電気のON・OFFに働きかける半導体のしくみ」を実施しました。
1~4年生まで近隣の小学校に通う24名の児童と、その保護者や同伴された幼児 計約30名が参加されました。
半導体とは、抵抗の値(=電気の流れにくさ)が導体(金属)と不導体(絶縁体)の中間となる物質のことです。実際は、半導体のこの性質を応用したものを大きくまとめて「半導体」と呼んでしまっています。携帯電話やテレビ、パソコンなど、私たちの日常で用いられるさまざま電化製品のほぼ全てに半導体が使用されています。代表例としてショックレーらが発明したトランジスタが挙げられます(彼らはノーベル賞を受賞し、シリコンバレーが形成されるきっかけとなりました)。トランジスタは電子的なスイッチや増幅に用いられます。また不純物をほとんど含まない純粋なシリコンは、絶縁体のように電気を通しません。ここに微量の元素を添加すると、電気を通すようになります。添加元素のことを「ドーパント」といいます。
今回の発明・発見教室では、子どもたちに、この半導体の電気を通したり通さなかったりする性質、電気のON・OFFのスイッチの役割を果たすという性質を中心にお話しし、携帯電話などを分解しその中にある半導体そのものや、半導体の中で最も使われているシリコン(ケイ素:silicon、元素記号はSi)を結晶化した「シリコンウェーハ」を実際に見てもらいました。そして、最終的な製品には金銀銅の他、複数の希少金属が使われていることを伝えました。
また、塩・砂糖・レモン水・サラダ油で子ども達が自作した小麦粘土で半導体の仕組みを体験する実験も実施。結果がうまく出なかったグループもありましたが、そうした失敗と成功の繰り返しも、発見や発明のために重要であることも学んでもらいました。