KMSは2017年度、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構から「科学コミュニケーション研修」を受託し、北海道農業研究センター(会場:札幌)・つくば本部・九州沖縄農業研究センター(会場:熊本)の3か所、延べ約110名の研究職員や広報担当者職員等の方々を対象に研修を実施しました。

北海道農業研究センターでは、芽室拠点と中継しながら、KMS 理事の小泉 周によるレクチャーでは特にマスメディアを通じた科学に関わるミス・コミュニケーションについて語られたほか、外部講師として北海道大学 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP) 准教授の奥本 素子さん・ 特任助教の古澤 輝由さん(両名とも2017年11月よりKMS フェロー)による「科学技術コミュニケーションの場のデザイン」と題した講義を通じて、インフォーマル・ラーニングによる社会文化的アプローチの大切さと事例紹介がなされ、それを踏まえて、グループワーク形式で“科学コミュニケーションのための場の設計”演習を行いました。

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九州沖縄農業研究センターでは、筑後拠点・都城拠点と中継しながら、KMS 理事の大﨑 章弘によるレクチャーとともに、科学コミュニケーターの本田 隆之さん(2017年11月よりKMS フェロー)による、実践経験を踏まえたサイエンストークのポイント紹介と、3分間で専門用語を解説する演習等がなされました。

つくば本部では、大﨑理事によるレクチャー&3分間で専門用語を解説する演習とともに、KMS フェローで日本科学未来館の森田由子さんによる、遺伝子組み換え技術をテーマとした“対話のためのアクティビティ設計”演習にも熱心に取り組まれました。

研修実施後に行ったアンケートでは、「今まで、わかりやすく伝えているつもりになっていたがもう一度コミュニケーションを見直す」「(自分が)考えていた以上に、アウトリーチについて同世代の研究員が考えていると感じ、自分もこれまで以上に意識していかなくてはならないと感じた」などの感想が寄せられました。

この研修におけるワークショップの開発意図(開発者:名古屋大学の戸田山和久教授・齋藤芳子助教)には、“参加者が共に学び合う”ことが挙げられています。

KMSでは、このような研修を通じて、科学コミュニケーションに関する知見を広げるだけでなく、自分と同じ環境にある研究者との交流を通じて、研究者おひとりひとりが改めて自身のコミュニケーションの在り方を見つめ直す機会創出に貢献したいと考えています。

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