第164回 知的財産マネジメント研究会(Smips)
日時 2015年1月10日(土)
場所 政策研究大学院大学・六本木校舎
★13:00-14:30 セッション1 :いずれかお好きなものにご参加ください
○ 産学連携によるイノベーション分科会(山本貴史)
今月はお休みです。
○ 法律実務(LAP)分科会(足立昌聡)
テーマ:特許権侵害事件における「均等論」の最近の議論
「均等論」というのは、大雑把にいえば、登録された特許の権利範囲からは厳密には漏れるにもかかわらず、その範囲のちょっと外側の製品にまで権利行使が認められる可能性を認めた判例法理です。しかし、均等論については、裁判になるまで侵害しているか分からないなど様々な批判があり、諸外国の裁判所のみならず、日本の実務でも運用が見直されつつあります。実際の事件をベースにケース・スタディを行い、健全な市場競争の観点から、均等論をどう考えていけば良いのか皆様と議論したいと考えております。
○ 知識流動システム(KMS)分科会 (西村由希子・天元志保・長谷川実里・藤井優子)
東川小学校で行った発明・発見教室が中心に今年度の取り組みの振り返りをします。新年、初めてSmipsにお越しになる方も多いと思います。気軽に覗いてみてください。
○ 研究現場の知財分科会(山田光利)
テーマ:イベントで生まれる「知」を記録に残し共有する、その意義と手法について
講師: イヌイコウジ 様
SNSなどの普及に伴い、イベントは「主催者が参加者に何かを伝える場」から「主催者と参加者が一緒に何かを生み出す場」となり、記録の残し方も「主催者が作って報告する」ものから「主催者と参加者が一緒に作って広める」ものになってきました。イベントのあり方が大きく変化する中で、・イベントを通じてどのように知が生まれるか、・知が生まれるプロセスも含め、記録を残すにはどうしたらいいかをテーマに、「イベントのリアルタイムレポート」を得意とするイベントにおける「勘所」を知るスペシャリスト・イヌイコウジ氏をお招きし研究会を開催します。・生まれた知をどう記録に残すのか・知が生まれた瞬間をどう記録に残すのか(新しい知はどんなときに生まれるのか)について考えたいと思います。
★15:00-16:30 全体セッション
テーマ: アイデアマラソン ー 考えて書く、毎日続けて知的変革を!講師:樋口健夫 様(アイデアマラソン研究所 所長、電気通信大学 非常勤講師、日本創造学会理事、 ジョージア大学 トーランスセンター 顧問、博士(知識科学))
(特許戦略工学分科会と知財キャリア分科会による共催企画です。)樋口様は、三井物産入社後、サウジアラビア駐在中に、国際競争に打ち勝つために、ノートに発想を毎日書き留める「アイデアマラソン発想システム(アイデアマラソン)」を考案・開発され、31年間継続されています。現在の記録発想数は、398,000個を超し、ノート数は433冊とのことです。2004年に定年退職後、アイデアマラソン研究所を設立され、国内外での普及を開始されました。大阪工業大学講師、筑波大学講師などを経て、2009年より電気通信大学講師を務められています。2011年には、国立北陸先端科学技術大学院大学の知識科学研究科の博士後期課程に入学され、2014年6 月に博士号(知識科学)授与されました。同年に、ジョージア大学トーランス創造性テストセンターの顧問に就任され、2006年から2014年までのジャパネットたかた社の全社アイデアマラソン運動、東芝各事業所、日立の関係会社群、アサヒビール研究所、横河電機、NTTドコモ、松竹、富士通各社、キャノンでのグループ研修を行っておられます。
【講師からのメッセージ】
アイデアマラソン発想システムは、古くて新しい自己啓発の手法です。自分の人生をより良くしたいという方にとって強い味方となります。毎日何かを考えて、毎日ノートに書き留めていく(Everyday Thinking and Everyday Writing)アイデアマラソンの効果について、30年間の体験から話させていただきます。いつ、いかなる仕事、場所においても、頼れるのは、自分の 知恵です。その知恵を、できるだけたくさん、ノートに残しておくことは、着実に人生を良い方向に動かします。アイデアマラソンを体験された方々は、既に、7000名を超えます。企業の全 社員運動、電気通信大学のほぼ全学のアイデアマラソン運動など、大きく拡がりつつある状況について紹介させていただきます。
★17:00-18:30 セッション2 :いずれかお好きなものにご参加ください
○ 特許戦略工学分科会 (片岡敏光・赤間淳一・安彦元・久野敦司・岡崎邦明・永井隆)
○ 知的キャリア分科会(上條由紀子・楠浦崇央)
テーマ:講演者樋口様ご指導によるアイデアマラソンのワークショップ
(特許戦略工学分科会と知財キャリア分科会による共催企画です。)※当日、ワークショップに参加される方は、新しいノートと、黒、青のマーカーペンを各1本ご持参ください。推奨はA5サイズの20穴のファイルノート、コクヨかマルマン。リフィルを入れてきてください。なければ、あるいは他のノートが良ければ、ノートであればよいでしょう。手帳、ライティングパッドは不可。
○ 産学連携分科会(長壁健・鈴木睦昭・杉浦美紀彦・林聖子・矢上清乃)
テーマ:ビジネスモデルキャンバスを使ってみよう!(2か月連続ワークショップ)
講師:木下忠 様(東北大学産学連携推進本部 知的財産部 特任准教授)
木下様は、大学での研究開発の後、特許庁に入庁し、審査官として特許審査の実務に従事。2012年8月から東北大学産学連携推進本部知的財産部において、産学連携活動に従事されております。一方で、弁理士/中小企業診断士として、中小企業支援や研究会活動を通じて、中小企業やスタートアップのビジネスモデルの立案・改善提案を行っております。特に、セミナー・執筆活動を通じた「ビジネスモデルジェネレーション」(翔泳社,2012年)のビジネスモデル立案のフレームワークの普及を進めています。
【講師からのメッセージ】
企業の新規事業開発やスタートアップ、戦略デザインを行なう方法として普及してきている「ビジネスモデル・キャンバス」これは戦略的思考を視覚化した画期的なフレームワークで、これまで、定義が様々だったビジネスモデルに対して、共通の記述法を定め、個人やグループでアイデアベースから事業計画まで練り上げていくための強力なツールとして、多くの賛同者を得ています。今回のセミナーではワークショップを通じてビジネスモデルキャンバスに慣れ親しんで頂き、実際のビジネスモデル立案の際に活用できるようにいたします。
※フードビジネス分科会は偶数月開催。